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山登り

「北鎌尾根」登山記録

投稿日:2012年9月22日 更新日:

9月14日~9月16日で北鎌尾根を通って槍ヶ岳に登ってきました。

★序章★
 山登りを始めてから本を読んだり情報を集めると所々で出てくる北鎌尾根。
 漠然とそのうち行こうなどと考えるようになっていたが、加藤文太郎が死んだ尾根だとか、素人が足を踏み込んではいけないとかビビらさせる事ばかりであったし、実際毎年遭難や死亡事故の情報が絶えない。
 更には、ココに日本百高山の山はないため後回しになっていた。
 そんなこんなで年月が流れて2011年に、表銀座・裏銀座一気縦走をした時ズ~ッとこの尾根が視界から離れなかった。特に裏銀座から見た北鎌尾根は素晴らしく切り立っていた。


その時の写真がこれ↓



★計画★

 槍ヶ岳に続く4個ある尾根の3個は走破したのでそろそろ行ってもいいかなってことで 来年挑戦しようと決めた♪
 年が明けて2012年春、会社のイベントで腰を痛め右膝下麻痺となり6月まで松葉杖のお世話になった。この時点では半分以上2012年の北鎌は諦めていたが、8月までに何とか回復して微妙だが1日で2,000m標高差を登るまでに体力も回復した。

装備は絞って軽量化し40L+10Lザックにテントも入れたが、
登攀用具のせいでシェラフがはみ出た。^^


 ルートのスタート地点をどこにするか悩んだ。①湯俣温泉②貧乏沢を下る中房もしくは常念③天上沢を下る上高地。①の湯俣温泉からは天上沢を遡上するため川を何度も渡るので却下。
 結局2泊3日予定の場合最短時間となる上高地から入ることとした。
詳細はこんな感じ、

■1日目(9月14日)
上高地バスターミナル ⇒ 明神・徳澤・横尾 ⇒ 槍沢ロッジ ⇒ ババ平 ⇒ 槍沢大曲り ⇒ 水俣乗越 ⇒ 天上沢 ⇒ 北鎌沢出合 ⇒ 北鎌のコル(ビバーク)
■2日目(9月15日)
北鎌のコル ⇒ P8・P9(天狗の腰掛) ⇒ P10(北鎌独標) ⇒ P11~P15 ⇒ 北鎌平 ⇒ 槍ヶ岳 ⇒ 殺生ヒュッテ ⇒ 天狗原分岐 ⇒ 槍沢大曲り ⇒ ババ平 ⇒ 槍沢ロッジ ⇒ 横尾(テント泊)
■3日目(9月16日)
横尾 ⇒ 徳澤・明神 ⇒ 上高地バスターミナル

の予定で行ってきた。。。

※文中で出てくる北鎌のピークP**などは確実な情報ではありません。信用し過ぎないようにご注意ください

9月13日の21:30ころ自宅を出て、沢渡駐車場に14日の1:30頃到着。仮眠後、タクシーで上高地入りした。



5:25にバスターミナルに到着し、ここで登山届を提出。





3連休前の金曜日なので登山者も平日にしては多め!





河童橋から奥穂・吊尾根を見る定番の風景。





河童橋を後にして11kmの地獄のロードに入る。まずは明神!





朝日に照らされる明神岳。





徳澤のテン場。





徳澤園。
徳澤園横の川が枯れていた。初めての経験で、梓川も水量が少ない。天上沢もヤバイかも・・・・





横尾を過ぎると、蝶ヶ岳・槍ヶ岳分岐。横尾から槍方面に向かうのは初めてのルート。
いつもは涸沢に行っていた。





も少し進むと槍見河原!槍の穂先がチョッとだけ見える。





橋・・・・





梓川の源流に向かって歩く。





二の俣。常念乗越に向けた一ノ俣谷の分岐で沢登りの人気コース





こんな風景好き。





槍沢ロッジの水力発電。





槍沢ロッジ到着10分ほど休憩する。C.T4時間50分のところ3時間20分で到着。良いペースだ!





ババ平のテン場





ババ平上部の雪渓。





槍沢大曲り到着。上高地・槍ヶ岳・水俣乗越の分岐。もちろん水俣乗越へ向かう。





ヒーヒー喘ぎながら11:30水俣乗越到着。風が強くて汗が乾き寒い。
ここまでC.T8時間のところ5時間50分で到着





水俣乗越から天上沢方面を見る。ガッツリ下らなければならない・・・・・
まあ貧乏沢を下るよりはましか!





水俣乗越から天上沢へ下る途中から北鎌尾根を見る。真ん中が独標!
(注)天上沢まで下るルートがあるので急勾配のガレ場を下らないこと。





河原に降りるところで一苦労。左側に進むと比較的楽に降りられた。





後は北鎌沢出合に向けて黙々と河原を下るのみ。
時々見かけるケルン。こんな水の枯れた河原を2時間以上下る。





ようやく北鎌沢出合到着。





北鎌沢出合から北鎌のコルまで標高差600mを黙々と登る。所々で大岩が行く手を阻む。
途中からまたあの症状が出る。筋肉疲労と吐き気と眠気のトリプルパンチ。前半飛ばし過ぎたか?
更に北鎌沢上部に行くと、傾斜がきつくなり分岐が幾つも出てくる。基本右右と進むのだが、途中不安になりチョッと左へ入ると北鎌のコルにたどり着けない。ザレた登りの急勾配と途中から降ってきた小雨で更に登りにくくなる。
周りの草を掴まないと登れないほどの傾斜。ところがアザミが多くトゲでつかめない。。軍手があると便利。


登山道に大岩!





ようやく北鎌のコルより30mほど上部の稜線に出た。
コルに向かって下るが先客がいてテントを張ることができない。
また登山道を戻り50mほど登ると、右側にチョッとしたスペースを見つけテントを張る。
しかし、エアライズ2を張るには狭くてテントの足が崖から落ちてしまうが無理やり設置してもぐりこむ。
テント入口が短辺方向に合ってよかった。長辺にあるとテントに入れない。
食欲が無く、コーヒーを沸かしてアンパン2個とゆで卵を食べてすぐ寝た。今回シェラフが入らなかったので上にダウンを着て、下は合羽で寒さを凌いだ。今日の行動は12時間。



かろうじてあったテン場。ホントギリギリ!
解り難いがテントの右側は急斜面









4:30に起きてゆで卵1個食べ、テントを撤収する。天気は上々♫
準備完了と同時に北鎌のコルから3人が上がってきたので、少し喋って一緒にスタートした。
全員単独!





P8手前を巻く。先に見えるのがP9天狗の腰掛。





P8の登り。極まれに赤いリボンがある。





P8下りからP9天狗の腰掛を見る。





千丈沢越しに見る硫黄岳その向こうには鷲羽岳や水晶岳が見える。





P9天狗の腰掛頂上に良いテン場が1ヶ所。少し下って更に1ヶ所





P9を下って今度はP10北鎌独標に向けての登り。





独標が目の前に現れる。デカッ!





この先が独標のトラバース道入口。この先の稜線にテン場があるが風が強そう。





トラバース道入口から、崩れ気味。





しばらくしっかりした踏み跡を歩く。独標からの落石に注意を払う。





よく写真で見る上下方向に狭い岩棚。四つん這いになって抜ければそんなに難しくない。





狭い岩棚を抜けた先での断崖絶壁。





狭い岩棚を抜けた先の方が危ない。





この危ないルートの動画。*北鎌通過時唯一残っていた動画。
3点確保で通過する。





更に進むとロープの掛ったチムニーが現れる。
独標をトラバースするのであれば、このチムニーを登らずにトラバース道を進む。





このロープに足を掛けて登るが、錆びたハーケンと切れそうなロープに命を預ける。





最初の足掛かりをクリアすると、楽に登れる。





チムニー上部。ここからトラバース道には戻れない。
この急斜面を登っていくと、独標の先に出る。
まっすぐ登り途中から右寄りに登ると楽に登れた。





少し戻ると独標の頂上がある。目の前のコブが独標頂上。





独標の頂上。2個コブがあるうちの片方。錆びたハーケンが目印。





独標頂上から槍ヶ岳方面を見るが、ガスで槍ヶ岳は見えない。





痩せ尾根を歩く。ハイマツの根に足を取られれないように進む。





時間にしてP11の頂上あたりだろうか?





P11からP12に向かう途中。





P11からP12に向かう途中。





P11からP12に向かう途中!ココにもテント張れそう。





P12と思われる。





少し先に進んだところからP12。





P12の先に60リットルクラスのザックが2個置いてある????
想像だが、今年のG/W中に北鎌から救助された人がいたが、その人たちの物でないだろうか。




上に見えるのは大砲岩かな?だとすればP13の登りになる





目の前にはP14と思われる。





P13の下りかどうか??早めにクラックに降りた方が安全





この大岩がP14の目印。





P14から槍ヶ岳を方面を見るがガスが掛って見えない。





ココはトラバース道を行った様な気がする。





こんな不安定な岩が無数にあるのが北鎌尾根。





P15は直登した。





P15の頂上。P15を巻いた先行者が反対側から登って頂上に居た





P15の狭い頂上。ここでしばし休憩





P15から歩いてきた稜線を振り返る。真ん中が独標





P15頂上にある「諸君頑張れ」のレリーフ。





P15の下りでここも厳しい。あまり下りすぎないこと





P15下部から北鎌平へ向かう。





北鎌平に到着。ガスガス





北鎌平でトレールランの人と会う。午前0時に三俣を出発し蝶⇒常念⇒大天井⇒貧乏沢⇒北鎌を歩いて来たそうだ。
これから槍ヶ岳に登り、下って徳澤まで行き、蝶ヶ岳を越えて三俣まで戻ると言う・・・・・・・絶句
後になって気が付いたが、日本アルプスの3000メートル級の山々を越え、
富山湾(日本海)⇒駿河湾(太平洋)の415kmを交通機関を一切使わず、自身の足だけで制限時間8日で走りきる。
2012年「トランス・ジャパン・アルプス・レース」の参加者にこの人がいた。
しかも7日間17時間27分で完走していた。





北鎌平を出発し槍ヶ岳頂上を目指す。左のハサミ岩を目印に登る。





槍の穂先に取り付いたので傾斜が増してきた。落石には細心の注意を払う。





ハサミ岩の目の前を通過。ルートが合っているかは不明。





ここが最後の難関で「ウォルター・ウェストン」も登ったと言われる有名なチムニー!
真ん中の大きな岩を下の小さな石が支えているように見えて、今にも落ちそう!





念願の北鎌尾根を走破し槍ヶ岳頂上に出た。祠の後ろ側から頂上に出る。





北鎌のコルから一緒に登った単独の2人と固い握手を交わして3人で記念撮影。





20分ほど頂上で余韻に浸ったら、槍ヶ岳山荘まで降りる。
赤いカープのチョッキを着た方は槍ヶ岳山荘に宿泊。この方のヤマレコ記事はこちら⇒ヤマレコカープ会
最下段に動画がありチョコッとだけ私も写っています。
私と白いヘルメットの〝やなさん〟と上高地に向けて今日中に行けるところまで下ろうってことで意見が一致した。これが正解で次の日の中央高速小仏トンネルを大渋滞前に通過できた。



13:00槍ヶ岳山荘を後にして殺生ヒュッテまで来たがココはスルーする。





南尾根斜面は草紅葉が始まっている!





途中振り返ると、槍ヶ岳上部は雲が掛って見えない!





登山者がどんどん登ってくる!
しかし、ウェアのせいもあると思うが、北アルプスは若くて美人の女の子が多い。
うれしい悲鳴♫ 北鎌が終わって余裕が出てきたか、エロオヤジ炸裂!





天狗原分岐まで降りてきた!





ババ平のテン場!河原までテントが100張りほど張られている。
ココは簡易トイレが一個しかなく、次の日の朝が思いやられる。





槍沢ロッジで掛け布団1人1枚確保できますと言われ、
2人で相談し1泊2食付で槍沢ロッジで泊まる事にした。
今回初めてのビールが風呂上りのビールで最高でした~♪ 





槍沢ロッジの夕飯!前日からまともな食事をしていなかったので旨かった~♫
ご飯3杯と味噌汁2杯食べた。








槍沢ロッジの朝飯!朝飯渋滞が40分ほど続いた。





ノコンギク





逆さ明神岳





河童橋まで戻ってきた。沢山の観光客で賑わっている。
北鎌に登ってきたのがウソのような雑踏に躊躇してしまう。





今回持って行った装備。
8mmロープ20m・カラビナ5個・ATC・カム1種類・スリング各種4本・捨て縄
出来ればハーケンとハンマーがあると更に心強い。






【水場情報】

今年のこの時期はやたらと水不足である。毎年豊富に流れている徳澤横の川の水も枯れていた。
普段の年なら北鎌沢の右俣・左俣分岐で水が取れるが、今年は全く流れていなかった。
左俣を30m登れば水があるとのこと。右俣上部でチョロチョロと流れが残っているが、飲料に向いているか不安。
確実な水場は、水俣乗越から天上沢を下るのであれば、北鎌沢出合の400mほど上流の間ノ沢出合で、北鎌尾根から豊富な水が流れていた。私はココで3リットルの水を汲んで行った。


【北鎌のコル テン場情報】

北鎌のコル近辺には、大雑把にテント3張り分しかありません。北鎌のコルに2張りと北鎌のコルより50m上部に狭いテン場が1ヶ所です。それより先にはP9の天狗の腰掛まで行かないとありません。北鎌のコルに登ってテントを張るスペースが無かったら、P9まで行くか引き返すしかないです。明らかに先行者が居る場合は、北鎌沢出合でテントを張った方が無難です。
今回北鎌のコル上部の狭いテン場が空いていたので良かったですが、ココが空いていなかったら暗闇と小雨の中ヘッデンだけでP9の天狗の腰掛まで行く羽目になっていました。


【雑感】

北鎌尾根、噂通りの厳しいところであった。結局登攀用具を出すことは無かったが、途中ルートを間違えて進んだ先でルートがなくなると後戻りできないような場所が沢山ある。そんな場合はロープのお世話にならざるを得ない。実際私も後戻りできない間違ったルートを登ったが、たまたま先に行けて正規ルート(?)に戻れたのでラッキーだった。
チムニーらしいところは、独標への登りと槍の穂先直下にありロープを使わずに登ったが、チョッとでも手を滑らせれば4m下に落ちて打ち所が悪ければ死んでいるだろう。これは考え方次第だが、ネガティブに考えれば偶然突破できただけで2回目は落ちるかもしれない。安全に登るのであれば先行者が空身で登り、ロープを出して続く方がより確実であったと思う。そう言う意味でも2人で登ることをお奨めする。但し落石の危険や、行動時間も増すので必要以上の人数で登るのはお奨めしない。

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